摂食嚥下機能の向上~口腔ケアの重要性~
年齢を重ねるにつれてお口の中が乾燥する、食事がうまく飲み込めなくなった。食事中にムセがあるなど様々な症状がでてきます。
口腔ケアはこれらの機能が低下しないために、お口の中から改善していきます。
口が乾燥すると細菌が繁殖する
高齢になると唾液が減少し、お口の中が乾燥しやすくなります。唾液には、自浄作用や抗菌作用、食塊形成作用などの様々な働きがあります。この唾液が減少することで、自浄作用が低下し感染症を引き起こしやすくなったり、誤嚥性肺炎のリスクを上げたりということに繋がります。
しっかりとお口の中をうるおすことが重要
お口の中が乾燥しないように、マウスリンスなどでうがいをしてお口の中を潤すのは良いかと思います。
また、重度の乾燥がある方は頬の粘膜も保湿ジェルなどで保湿してあげることも大切です。
要介護の方は周りの方が保湿を!
ご自身で口腔ケアができない方は、周りの方が口腔スポンジなどを用いてお口の中の汚れを除去し、保湿してあげましょう。
乾燥している方は水だけでなく、保湿ジェルなどを付けてスポンジで口腔内全体的にいきわたらせると良いかと思います。
お口の周りのマッサージも重要
お口の中だけでなく、お口の周り(唇、口角、頬など)をマッサージするのも立派な口腔ケアです。
ご自身でできるようであれば、唇をすぼめたりもどしたりして運動したり、頬を膨らませたり、舌を上下左右に動かしたりして運動します。また、唾液腺のマッサージをすると唾液も良く出てきます。
自分でできない場合は手伝ってもらう
麻痺など、寝たきりでご自身で運動できない場合は、周りの人が手伝います。お口周りのマッサージは痛くないように優しくマッサージしてあげてください。また、舌の運動は、舌をガーゼなどでもって上下左右に優しく動かしあげましょう。お口の中を触られるのが嫌な場合はまず、お口の外側のマッサージから始めましょう。
もちろんお口の中の歯磨きが一番重要です
お口の中に食べかすなどが残りっぱなしだと、歯茎の炎症や虫歯の原因となります。
ご自身で歯磨きができない場合は、周りの人がスポンジなどを用いて、食渣を取り除いたあとに、やわらかめの歯ブラシでブラッシングしてあげてください。
習慣にすることが大切です
口腔ケアは簡単そうに見えて、意外と難しいものです。
しかし、毎日の習慣にすることで健康なお口・体になるように、できることから始めてみましょう。