歯周病によって起こりうる全身の病気 糖尿病や動脈硬化には特に注意

歯周病で起こりうる全身の病気

歯周病によって起こりうる全身の病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

◆肺炎・気管支炎など◆

肺炎

歯周病を放置しておくと呼吸器系疾患にかかりやすくなる危険があります。
一般に煙草を吸う人、高齢者、あるいは身体の免疫系が抑制されている人は、肺炎、気管支炎、肺気腫、慢性閉塞性疾患などの呼吸器系の疾患にかかりやすいことが知られています。

◆心筋梗塞・動脈硬化◆

歯周病があると循環器疾患に対するリスクが高くなり、心筋梗塞等を起こす可能性が高くなります。
最近の研究から細菌性の感染症である歯周病にかかっていると心疾患に対するリスクが高くなることが分かってきました。

さらに歯周病でない人にくらべて、致命的な心臓発作を起こす危険が、およそ3倍にもなることが報告されています。歯周病の細菌が炎症を起している歯肉から血中に入り血流にのって全身に散らばり、血管の内側に張り付き、小さな塊となって動脈をつまらせるのではないかと考えられています。また、歯周病を原因とする炎症によって、心臓の動脈の内部に脂肪性の沈殿物が堆積することが考えられます。

日本人の5人にひとりが何らかの心臓病にかかっていると言われています。心臓病と診断され、歯周病の可能性のある方は歯科医を訪れ診てもらうことをおすすめします。

◆糖尿病◆

歯周病と糖尿病との間には密接な関係があります。
糖尿病の患者さんは、歯周病になりやすく、悪化させる事が多いとわかっています。血糖値が高くなると傷が治りにくいことや、唾液が出にくくなることが関係しています。歯周病を起こす歯周病原菌が血液中に入ることがきっかけとなり、血糖値を下げるインスリン(ホルモンの一種)の働きを邪魔する物質が体内でふえると考えられるのです。

歯周病をほうっておくと、糖尿病になる危険性があります。糖尿病予備軍の人や、すでに糖尿病の人は歯周病の治療をしないとますます糖尿病が悪化してしまう危険性があるのです。

◆早産・低体重児◆

歯周病を放置したまま妊娠すると早産、低体重児出産の危険があります。
低体重児早産の危険因子としては母親の喫煙、飲酒、感染などが知られています。

歯周病にかかっている妊婦は、早産で体重が低い赤ちゃんを生むリスクが7倍も高くなっています。歯周病は感染症のひとつであり、 妊娠している母親は、充分な注意が必要です。