若年性歯周病(侵襲性歯周炎)について
歯周病は若い人もなる病気
歯周病と聞くと、中高年にかけて発症する病気と思われがちです。近年、小学生や、10代、20代の歯周病も増えており、30歳以下の若年層で発症した場合を、若年性歯周病(正式名 侵襲性歯周炎)と呼ぶようになりました。
若年性歯周病の特徴
- 通常の歯周病よりも急速に進行します。
- 前歯と、第一大臼歯に限って発症することがあります。
- 家族集積性が見られることがあります。(家族集積性とは、ある形質が、特定の家族内または家系内に高い頻度で認められること)
- 一般的な歯周病の治療ではなかなか治りません。
若年性歯周病の原因
- 免疫抵抗力の低さがあると言われています。通常なんでもない程度の汚れに対して、若年性歯周病の方は過敏反応し、炎症を起こすのです。ですから若年性歯周病の方は慎重に口腔ケアをしていかなくてはなりません。
- 歯磨きの仕方や、回数、食事のとり方や、生活習慣に問題があるなど、正しいプラークコントロールができていないといった問題があります。
- 免疫機能、特に白血球機能低下が原因とも言われています。
- 特殊な細菌Aaによる感染も原因の一つと言われています。
- 遺伝的な問題や夫婦間での水平的感染から、子供へ垂直的感染が原因とも言われています。
口臭も出てくる
若年性歯周病の症状は、通常の歯周病と変わりありません。まず歯茎が腫れて出血します。これを放置しておくと、歯を支えている骨が破壊され、歯がぐらぐらしたり、痛みを伴うようになり、最終的には抜け落ちてしまいます。歯周炎特有の口臭もあり、症状が進行すると共に口臭がきつくなります。
若年性歯周病の治療法
若年性歯周病は進行速度が早い為、早期治療が大切になります。通常の歯周病治療に加え、抗菌剤や抗生物質といった薬物療法による治療が有効な場合もあります。また症状がかなり進んでしまった場合は、歯ぐきを切開して歯石の除去を行う外科的処置を行います。
定期健診の必要性
外科的処置をした後でも再発をする可能性があるために、正しい歯の磨き方を覚えるなど、日々のプラークコントロールと定期的な歯科検診を行うことが重要です。